2024-10-18
第19話 花ひらけ!大きなポテンシャルを秘めた大田市場見学ツアー
ミキキートスでは現在、成田空港・豊洲市場・国会議事堂の3つのコンテンツを柱にツアー運営を行っております。第4のコンテンツをずっと模索し続けていますが、残念ながら、現状なかなかこれといったものに出会えておりません。そんな中、準レギュラーとなるポテンシャルを秘めたものがあります。それは大田市場見学ツアーです。
大田市場の青果卸売場の様子。青果の卸売場だけで東京ドーム1個分もの広さがある巨大な市場。
皆さん、大田市場と聞いてピンと来ますでしょうか? 豊洲市場と並び、東京都内に11か所ある東京都中央卸売市場の1つで、羽田空港からほど近い、流通関連の施設が集中しているエリアにある巨大な市場です。取り扱うカテゴリーは、青果・水産・花きです。このうち、青果と花きについては日本最大の取扱量を誇ります。一方で水産については、水産物を扱う3市場(豊洲・足立・大田)の中で一番取扱いが少なく、そのシェアは東京都中央卸売市場全体のわずか1%強にとどまります。豊洲市場が全体の95%を占めているので、自ずとこのような数字になってしまうわけですが、逆に青果と花きについては圧倒的な取扱量を誇ります。全国の中央卸売市場に占める取扱額の割合は青果が約16%、花きはなんと約44%にも達します。ツアーのテーマとしてはまさにポテンシャルの塊というわけです。
最寄り駅となる東京モノレールの「流通センター駅」。空港アクセスを目的とした快速列車はすべて通過となる為、乗り間違えないよう注意が必要。
一方、見学客を遠ざける要因もあります。
まず、アクセスの面です。羽田空港や東京貨物ターミナル駅に近接しており、物流の観点からいえば豊洲市場よりも優れている感すらありますが、公共交通機関で訪れる買出人や見学客にとっては少々不便な立地です。新交通ゆりかもめが乗り入れ、鉄道駅直結の豊洲市場と異なり、最寄り駅である東京モノレールの流通センター駅から、近い側にある花き棟でも15分弱、遠い方にある青果・水産棟では20分ほど歩く必要があります。モノレール+徒歩で訪れる人はおそらく少数派で、路線バスで品川や大森、平和島の各駅からアクセスするルートの方が王道と言えますが、いずれのルートの場合も、気軽に訪れるには少々ハードルが高いといえます。
次にグルメ要素についてです。 見学客が多く訪れる豊洲市場と異なり、大田市場の場内飲食店は主に市場関係者向けの佇まいとなります。また、飲食店が軒を連ねる関連棟(愛称:やっちゃば横丁)は、初見では訪れるのが難しい奥まった場所にあります。市場関係者中心のお店のため、リーズナブルに食事ができる点は良いですが、豊洲市場のように「お寿司や海鮮丼を食べたい!」といった分かりやすいモチベーションに乏しいのです。もちろん市場の飲食店ですから、鮮度抜群の食材で作ったおいしい料理を頂ける銘店ぞろいな訳ですが、訴求力が弱いということです。