2025-04-28

コラム最終話 ミキキートス2025年初夏

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2023年10月より、およそ1年半に渡ってお送りしてきましたこちらのコラム【それでも愉快な僕のガイド人生2 孤独で愛おしいガイドの日常】が、いよいよ最終回となりました。前回、第1弾でコラムの執筆をお引き受けした時はコロナ禍の2021年夏のことで、仕事がほとんどない状態の時だったので、時間もたっぷりあり、コラムの執筆はそこまで苦ではありませんでした。ですが、第2弾はありがたいことに仕事が戻ってきているタイミングでお引き受けしてしまったものですからさぁ大変!優柔不断な性格なもので、こんな駄文のコラムでもパッと書きあげることができず、推敲を何度も繰り返すことになります。ただでさえ時間の使い方が下手くそな私にとっては、通常業務に忙殺されながらコラム執筆の時間を捻出するのが本当に大変でした。ご愛読頂いていた読者の皆様も、コラムが投稿されるスパンにずいぶんムラがあると感じられたことでしょう。すべては私の不徳の致すところです。株式会社ケンネットのご担当者にも、さぞご迷惑をおかけしたことと思います。


「生みの苦しみ」という言葉があります。文字通り、女性が出産をご経験される時に味わう苦しみという意味に加えて、クリエイターとして成果物をなかなか生み出すことが出来ない…そんな悩みを体現する言葉としてよく用いられます。私の場合は、このコラムがまさにそうですし、ツアーの企画もそれにあたります。思えば、ツアー企画として、しっかり売れるものとして世に送り出した最後のものが「豊洲市場 マグロのセリ見学ツアー」で、2022年の夏のことになります。おかげさまで、当該ツアーはリニューアルを繰り返しながら今もコンスタントに売れていますが、逆に言えばそれから3年近くヒットを打てていないことになります。


大田市場の飲食店で提供されるメニュー。

豊洲市場と違い、関係者が中心の為、

良心的な価格なのもうれしい。


バットを振らなかったのかというと、決してそうではありません。ただ、飛んでくるボールにジャストミートしなかったということになります。ひとつは大田市場見学ツアーです。2023年の夏に数回催行に至りましたが、その後鳴かず飛ばず…。日本最大の青果・花きの取り扱いがある市場というポテンシャルを活かすことが出来ませんでした。


少しだけでも売れたという点ではまだマシかもしれません。成田空港関連では、空港周辺をドライブしながら巡るツアーを企画するも、1組も申し込みがなく終了という散々な結果になりました。空港見学と航空科学博物館がセットになったツアーもちょっとだけ売れましたが、出塁するのがやっと…くらいの売れ行きで、現在は休止中です。成田空港のコンテンツは、第1ターミナルのみを巡るツアーと、3つのターミナルを周遊するツアーと、親子で見学するツアーの3つがすでにあり、これ以上ラインナップを増やしても参加者が分散するだけで、新たな需要創設には繋がりづらいのかもしれません。


1件の予約も得ることが出来なかったまさに幻のツアーのバナー。

当然売れることを期待して企画をしているわけで、

大きく落胆することになる


ここのところ、まさに生みの苦しみに悩まされてきたわけですが、需要があることは分かっているけど、リソース不足で着手できなかった企画というのも存在します。そして、今年はそれらにチャレンジしようと考えています。ミキキートスはコロナ禍前までは、大人向けのツアーしか存在していませんでしたが、2022年の夏に親子向けの成田空港見学ツアーをリリースし、おかげさまで今でもご愛顧頂いております。豊洲市場と国会議事堂についても、親子ツアーの企画を販売すれば、新しい需要を創出できるのではないかと考えています。たとえば、豊洲市場であれば食育というテーマと絡めることで、新しい層を取り込むことができそうです。また、国会議事堂については「うちの学校は社会科見学で国会に行かないので…」とか、「社会科見学で国会に行く予定だったのですが、風邪を引いて休んで行けなかったので…」という理由で、既存のツアーにも小学生のお子様を伴った親子参加もそれなりに多い状況があります。「政治」は私たちの生活に直結するテーマでありながら、家庭内ではなかなか語り合う機会は少ないのではないかと思いますが、ツアー参加をきっかけにカジュアルに政治に興味をもってもらいたいという気持ちもあります。