2024-04-12

第12話 事業存亡の危機?!ドンゾコがやって来るヤァ!ヤァ!嫌ァ!

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さて、時計の針を再び大きく戻したいと思います。おかげさまで売り上げも戻ってきていて、低空ながらも安定飛行に入っている2024年春のミキキートスですが、15か月ほど前の2022年末から翌春にかけて、事業の存亡が危ぶまれる状態にありました。


2022年の7月末より現地ツアーを再開し、少しずつ利用が戻ってきていましたが、個人向けの募集ツアーは好調だったものの、感染症予防の観点から団体のツアーの貸切需要は低調でした。小規模なツアー業者であるミキキートスの経営は飲食店に似ているところがあり、個人のお客様でも売り上げは立つのですが、大人数での貸切利用、飲食店でいうところの宴会をしてもらわないと、経営が安定しないところがあります。


現地ツアーを原則取りやめていた2021年までは、オンラインツアー中心の稼働で、売り上げも少なかったものの、経費もミニマムで済んでいました。しかし、現地ツアー再開後は、新たに採用したガイドの育成費用に加えて、感染対策で車通勤を基本としたことも仇となり、売り上げに対して経費の割合が大きい状態が続いていました。現地ツアー再開を喜び、これでひと安心と思っていたのもつかの間、2022年の年末には預金残高の底が見えるような状態になってしまっていたのです。これは予想外の事態でした。


最寄りのカーシェアステーションだったこともあり、一番お世話になったホンダN-BOX。後ろは豊洲市場の青果棟。


車通勤を取りやめれば、体力的にも経費的にも負担は軽くなるのですが、零細事業者ならではの苦しみとして、私一人が倒れるとすべてがストップしてしまうという脆さがあります。絶対に感染するわけにいかないという前提に立つと、傍から見れば一見過剰に見える用心も必要でした。そして、ガイドの育成はまさに団体需要を受け止める為の先行投資。こちらも投資を渋る訳にはいきません。そんなこんなで、忙しい割には利益率が低い状態が続く、八方塞がりの状態に陥ってしまっていたのでした。




こうなるとまさにじり貧。できることも限られてしまいますし、発想もついついネガティブになりがちです。一体何年ぶりだろうか…というくらい久しぶりに求人を検索してみたりしました。人手不足のご時世ですから、いろいろな選択肢があるわけですが、現在の仕事に就いたからこそ興味を持った仕事もありました。それは市場のお仕事です。2つのメリットがあると思いました。1つは業界に身を置くことで、市場のガイディングに生かせる知識が少なからず手に入ること。もう1つは深夜から早朝のお仕事を選べば、本業への影響は最小限で済むかもしれないということでした。


大田市場花き棟の仲卸店舗。特に市場の仕事の中で興味を持っていたのがお花を扱う花き部門。


しかし、アルバイトを開始することは、短期的に見れば資金のショートを食い止めるという重要な役割があるものの、長期的な目で見るとマイナスに作用することは明らかです。ツアーの仕事の依頼が入ってもお断りをしなければなりませんし、当然就業時間中はお客様の問い合わせにも対応できません。本業と被らないように夜勤をすればいいという話もありますが、ただでさえ無理が利かないタイプなので、両立は難しいように思えました。そもそも市場という職業柄、アラフォーの新人にはいろいろな意味でハードルが高く思えました。


足りない収入をアルバイトで補うのが難しいのであれば、考えうるもう1つの選択肢は節約になります。 ちまちま光熱費を節約しても限界がありますので、大胆に家賃を削減する必要があります。最初に思いつくのは家賃が安いところに引っ越すことです。安アパートに引っ越せば、月3万円くらいは節約できそうです。ただ、第11話でも書いた通り、審査の問題がありました。ましてや貯金が底を尽きそうという理由での引っ越しですので、ますますハードルが高いだろうと思われました。


最終手段は実家を頼ることです。この案なら引越し費用のみ負担すれば、家賃や食費が大きく浮くことになります。幸い、母の住居には1部屋余分な部屋があったので、そこに転がり込むことは可能でした。ただ、在宅で仕事する割合が多くなっており、業務に必要な機材を保管するスペースが足りなさそうなのと、今持っている家具を全て手放すことになる為、状況が改善した後に再度引っ越しとなったタイミングで費用がかさむことは目に見えており、安易なようで覚悟が必要な選択でした。


いっそ事業を数ヶ月休止して、短期間フルタイム勤務をするのはどうか…。一時そんな思考にも陥りました。しかし、それこそ愚の骨頂。一番避けなければいけない選択肢でしたが、それすら考慮に入れないといけないほど追い込まれていました。


元々がポジティブシンキングではなく、ネガティブに考えてしまう性質なので、この状況はだいぶ堪えました。結局どの選択肢も踏み出すにはハードルが高く、2月に入ると確定申告の作業も始まったので、一旦考えることを止めました。カッコよく言えば、時の流れに身を任せることにしたのです。