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コラム

第5話 ゆったりたっぷりのんびり♪旅ゆけば成田空港

皆さんは現地集合・現地解散の街歩き(散策)ツアーの所要時間として、思い浮かべるのはどのくらいでしょうか?60分?90分? 2時間くらいでしょうか。好みがありますので一概には言えませんが、大体1時間から2時間くらいが相場ではないかと思います。ミキキートス…というより私は、ツアーの中に情報量をぎゅっと詰め込むタイプです。ラーメンで例えるならば、塩ラーメン・しょうゆラーメンではなく、こってりマシマシの豚骨ラーメンといった感じでしょうか。とにかく沢山の面白いトピックを参加者と共有したいという気持ちが強く、自ずと所要時間は長くなる傾向にあります。現在提供中のツアーですと、一番短いものでも2時間、一番長いものはなんと5時間半にも及びます。

最長のツアーは「成田空港見学ツアー 3つのターミナル周遊コース」。タイトルから分かる通り、成田空港にある3つのターミナルを全て巡るツアーとなっている為、短い時間では消化できないというのは想像ができると思うのですが、「果たして5時間半も必要か?」と思うのが正しい反応だと思います。 実は、2015年末に成田空港見学ツアーを開始した当初は、2時間50分の所要時間で設定をしていました。それがいつの間にか約2倍の5時間半になったのですから、企画者本人もびっくりです。

成田空港見学ツアー 3つのターミナル周遊コース

(画像をクリックすると予約ページに遷移します。)

当初は今よりも経験が浅く、ご案内できるトピックが少なかったので、2時間50分で足りていたのですが、ご案内を重ねていくうちに、「あれもご案内したい、これもご案内したい…」と、少しずつ引き出しが増えていくわけです。そして、それらをツアーに取り入れていくと、自ずと所要時間内に収まり切れなくなります。一応、お申込み時の注意事項として「進行状況により5~10分ほど前後する場合があります」と記載はしていますが、10分近くオーバーすることが常態化するようになっていました。ならば、一思いに「えいっ!」と所要時間の設定を長くすればいいじゃないかと思うかもしれませんが、元々短くない所要時間ですから、そこから更に所要時間を延ばすことで「売れなくなるかもしれない」という危惧があり、及び腰だったのです。

LCC専用の第3ターミナル。建設費を抑える為、内装は従来のターミナルと一線を画す。

転機が訪れたのは2019年の5月。ANAのフライングホヌ(空飛ぶウミガメ)が就航することになったので、見たい人が多いだろうと考え、ツアー終盤に展望デッキから当該便の到着を見学する設定としました。フライングホヌに使用されるエアバスA380は、その巨体ゆえに制限があり、離着陸は必ず長い方のA滑走路を使用します。従来このツアーでは、第1ターミナルで展望デッキの見学を先に済ませてしまい、第3、第2の順に見学したのちに第2ターミナルで解散をしていました。その方がルートの重複もなく、効率が良かったのです。しかし、フライングホヌの到着を迎え撃つ為には、A滑走路側の第1に戻ってくる必要が生じます。第2から第1ターミナルに戻る移動時間分が純増することになり、所要時間も3時間を超えることになりましたが、所要時間を増やせるタイミングは滅多にないチャンス!とばかりにより長くできないかを画策します。

フライングホヌの到着は14時台後半。3時間前のスタートだと11時台に開始することになりますが、昼食の時間が微妙…ということで、思い切ってお昼またぎのツアーにすることにしました。途中45分のお昼休憩を挟むことで、長丁場のツアーでも間延びせず楽しんで頂けるのではないかと考えたのです。本当は3時間5分プラスお昼休憩45分で3時間50分あれば良いところを、どさくさに紛れて更に40分増やして、4時間半の所要時間としました。お子様連れでの参加も多いツアーですが、お昼またぎが奏功したのか、思いのほか4時間半の所要時間は受け入れてもらうことが出来ました。

ツアー所要時間の変遷

そして、忌々しいコロナ禍のツアー休止期間を挟み、再開するタイミングのどさくさに紛れて、しれっと更に30分所要時間を足しました。当時は5時間と書くのが忍びなかったので、4時間55分と表記して、少しでも長く見えないように工夫していましたが、今思えば焼け石に水もいいところですね。こうして5時間の長時間ツアーとなった訳ですが、まだ続きがあります。

フライングホヌの見学を必須とした場合、お昼またぎ前提でツアーを組むしかありませんが、3つのターミナルを周遊するコース自体の価値がきちんと評価されたことで、人気の飛行機に頼らなくとも集客が出来るようになってきていました。そこで、思い切ってフライングホヌの見学を行程から外すことにし、日の長い夏の期間には午後開始のツアーも設定できるようにしました。そうすることで、午前中に別のツアーを1つ販売することが出来るという打算もありました。

さて、こうして13時開始のツアーが生まれたわけですが、午後発は昼食休憩が不要なわけですから、少しゆったり目の休憩時間を取るとしても、所要時間が30分ほど余ることになります。そこで、午後発ツアー限定で、従来行程に入っていなかった東成田駅(旧成田空港駅)と、空港西通りの散策を加えることにしました。歩く時間が20分以上増えたのは改悪と言えるかもしれませんが、この30分のご案内を加えたことが本当によいスパイスとなり、以前のツアー企画と比べてより深みが増しました。

現在の東成田駅(旧成田空港駅)の様子。左側に現在使用されていない古いホームがうっすら見える。

東成田駅は元々成田空港のターミナル駅だったところです。開港当時、唯一のアクセス鉄道だった京成電鉄は、当然空港ターミナル直下の乗り入れを希望しますが、幻となった成田新幹線が乗り入れる計画があったことから、スペースが確保できず叶いませんでした。それで仕方なく空港ターミナルから1キロほど離れた場所に初代成田空港駅(現東成田駅)を築いたという訳です。この駅は2つあるホームのうち1つが1991年当時のまま残されているなど、鉄道ファンからも大変人気がある”廃墟駅”として知られています。このツアーでは改札内には入りませんが、コンコースに当時の面影を見ることが出来る為、歴史を感じて頂くことが出来ます。また、空港西通りの散策では、管制塔や貨物地区、機内食工場を近くで見ることが出来、制限エリアでこそないものの、空港の裏側を垣間見るような体験ができるというわけです。

空港西通りでの見学の様子。左側には管制塔、右奥には機内食工場がある。

お客様の反応が良かった為、お昼またぎ5時間のツアーも午後発と同様に東成田駅・空港西通り経由のルートに改めることにしました。こうして所要時間5時間半の”トンデモ”ツアーが誕生したという訳です。大変ありがたいことに、ツアー解散時にお客様より「楽しかった」「良い体験が出来た」等と声をかけて頂くことが多いツアーです。ほぼ決まって「疲れたけど…」という言葉がセットになっているのは言うまでもありません(笑)

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